Regarding About Red Cross

世界189の国と地域におよぶ、世界最大の人道団体としての赤十字が存在しています。

Network of Red Cross

赤十字のネットワーク

世界に広がる赤十字社・赤新月社。この他に赤十字国際委員会もジュネーブの本部を筆頭に80を超える代表部、地域代表部、事務所を世界各地に設置しています。

  • 赤十字社
  • 赤新月社
  • レッドクリスタル

世界189ヵ国に広がる赤十字社・赤新月社

 1864年、ジュネーブ条約によって誕生した赤十字。当時、条約調印に賛同し、赤十字国際委員会に参加したのは、ヨーロッパの16ヵ国でした。その後、ジュネーブ条約に加盟する国は増え続け、加盟した国は、赤十字社を設置し、現在、赤十字社・赤新月社は、世界で189の国と地域に広がっています。設立の時期や経緯は国によって異なっても、7原則を胸に「命と健康を守る」「苦痛を軽減する」「人間の尊厳を守る」という目的はみな同じです。大規模な災害が発生した際などは、国境を越えてお互いの活動を支援し合うなど、世界最大のネットワークを生かした活動を行っています。

Seven Principles of the Red Cross

赤十字の7原則
人道
国際赤十字・赤新月運動(以下、赤十字・赤新月)は、戦場において差別なく負傷者に救護を与えたいという願いから生まれ、あらゆる状況下において人間の苦痛を予防し軽減することに、国際的および国内的に努力する。その目的は生命と健康を守り、人間の尊重を確保することにある。赤十字・赤新月は、すべての国民間の相互理解、友情、協力、および堅固な平和を助長する。
公平
赤十字・赤新月は、国籍、人種、宗教、社会的地位または政治上の意見によるいかなる差別をもしない。赤十字・赤新月はただ苦痛の度合いにしたがって個人を救うことに努め、その場合、もっとも急を要する困苦を真っ先に取り扱う。
中立
すべての人からいつも信頼を受けるために、赤十字・赤新月は、戦闘行為の時、いずれの側にも加わることを控え、いかなる場合にも政治的、人種的、宗教的または思想的性格の紛争には参加しない。
独立
赤十字・赤新月は独立である。各国の赤十字社、赤新月社は、その国の政府の人道的事業の補助者であり、その国の法律に従うが、常に赤十字・赤新月の諸原則にしたがって行動できるよう、その自主性を保たなければならない。
奉仕
赤十字・赤新月は、利益を求めない奉仕的救護組織である。
単一
いかなる国にもただ一つの赤十字社あるいは赤新月社しかありえない。赤十字社、赤新月社は、すべての人に門戸を開き、その国の全領土にわたって人道的事業を行わなければならない。
世界性
赤十字・赤新月は世界的機構であり、その中においてすべての赤十字社、赤新月社は同等の権利を持ち、相互援助の義務を持つ。

赤十字の活動指針となる7つの原則の意味とは?

 赤十字は、アンリー・デュナンが創設した世界最大のネットワークを持って活動する人道機関。誕生以来、たくさんの人道的功績を重ね、組織も拡大してきました。今では設立当初の目的である戦争・紛争犠牲者の救援にとどまらず、災害被災者の救援、医療・保健・社会福祉事業なども行うようになっています。
 そんな赤十字の活動指針が、7つからなる赤十字の基本原則です。最も根本にある原則は「人間の生命は尊重されなければならないし、苦しんでいる者は、敵味方の別なく救われなければならない」という「人道」。他の原則は、「人道」の原則を実現するために必要となるものとされています。
 どの原則も誰でも理解、共感できるシンプルなものです。しかし、そのシンプルな理想を —それも継続して— 実現するのがいかに難しいかは、世界の歴史が教えてくれます。赤十字はその難しいことに、150年以上、取り組んできました。その意味と重みを考えながら、これからも7つの原則を守っていきたいと思います。

Role and organization of the Red Cross

赤十字の組織と役割

(赤十字国際委員会)
役割
1863年の赤十字創設以来、国際人道法に基づき、戦争や内戦の犠牲者に対する人道的支援を行っています。本部はスイスのジュネーブ。
主な仕事
  • 戦争、内戦時に中立機関として犠牲者の保護と救援にあたること
  • 敵に捕らえられた兵士が非人道的な扱いを受けることのないよう、捕虜や抑留者を訪問し、調査すること
  • 紛争などで離れ離れになった家族の安否調査を行うこと
  • 新しく創設された赤十字・赤新月社の承認を行うこと

(国際赤十字・赤新月社連盟)
役割
各国の赤十字社・赤新月社の国際的な連合体。スイスのジュネーブに事務局、世界60ヵ所以上に代表部を置いている、独立した人道団体です。
主な仕事
  • 災害の被災者に対する救援活動を行うこと
  • 将来の災害に備え、リスクを抑えるための活動を行うこと
  • 感染症対策をはじめ、保健・衛生上の問題に取り組み健康の増進を図ること
  • 様々な人道問題についての関心を喚起すること
  • これらの活動を実施する各国赤十字社間の調整を行うこと
  • 各国赤十字・赤新月社の人道的な活動を支援・増進すること
  • 各国赤十字・赤新月社の設立・発展を促進すること

各国赤十字
役割
現在、189の国と地域に広がっている各国の赤十字社・赤新月社。「命と健康を守る」「苦痛を軽減する」「人間の尊厳を守る」という目的のために幅広い活動を行っています。
主な仕事
  • 災害現場での救護活動や、災害に備えた活動を行うこと
  • 健康な生活をおくるための保健・衛生や救急法の普及をすること
  • 安全な輸血用血液を確保するための献血者を募集することを中心とした血液事業
  • 地域社会(コミュニティ)の生活をより良いものにするための社会福祉活動をすること
  • 赤十字の活動に賛同する方々によるボランティア活動とボランティアの育成を行うこと
  • 赤十字の精神を次世代を担う青少年に伝えるための青少年赤十字活動を促進すること
  • 赤十字の基本原則や国際人道法を広めること

赤十字マークの種類と意味

 赤十字のマークといえば、多くの人に知られている赤い十字のマーク。日本赤十字社もこのマークのもとに活動しています。マークは赤十字の創設者アンリー・デュナンの祖国であるスイスに敬意を表して国旗の配色を逆にしたものを採用したとされています。
 ただ、赤十字が世界に広がるにつれて、イスラム圏では十字のマークがキリスト教の十字軍を連想させるとして敬遠される事態が起きてきました。そこで新月のマークを取り入れた「赤新月」マークが生まれました。さらに白地に赤い菱形を配したマークも誕生しました。ちなみに赤い菱形の場合、白地部分に独自のマークを入れることも認められています。

理想的な活動を実現する赤十字の体制とは?

 赤十字は活動の場や仕事・任務の中身で役割分担ができています。構成組織のなかで、最も初めにできたのはICRC(赤十字国際委員会)。役割は主に戦争、内戦時の救護活動などの人道支援です。続いて各国の赤十字・赤新月社。赤十字の設立後、各国に赤十字社ができると、戦争・紛争時以外にも、それぞれの国内における平時の災害救援、医療活動、人道支援も行うようになりました。そうして1919年、各国赤十字社の国際的な連合体として国際赤十字社連盟が誕生。その後、名称をIFRC(国際赤十字・赤新月社連盟)に変え、現在に至っています。こうして赤十字は「赤十字国際委員会」と「国際赤十字・赤十字社連盟」および「各国赤十字社・赤新月社」体制で活動するようになっていったのです。
 もちろん、すべての組織は連携を密にして有事の際は最大限の結果を目指し、ともに活動しています。赤十字は、こうして世界中で迅速かつ的確な活動できる体制を整えているのです。